2013-09-27 鳴かぬなら 駆けずり回ろう ナキウサギ [長年日記]

┌|∵|┘ ナキウサギハンティング

秋である. エゾナキウサギが餌を巣に貯蓄するために活動的になる季節である. 9月最初の三連休, 我々は黒岳のエゾナキウサギを激写するために大分前から層雲峡の宿を予約していた. 14日の土曜日, 20km ランニングしたのち出撃. 元別居人ちゃんの職場によって拾ってそのまま層雲峡へ. 日曜日の天気予報を見ると昼ごろから雨. 雨や風だとナキウサギは出てこないので午前中で勝負を決めねばならない.

朝6:00, 始発のロープウェイに乗り, 始発のリフトに乗り継ぎ, 残りの1.5kmを駆け上って他の登山客をゴボウ抜きしつつ黒岳山頂へ. 強風... とりあえずナキウサギポイントであるポン黒岳の方へそそくさと降りていく. 小雨. そしてナキウサギポイント. めっちゃ鳴いてる, すげー近い!と大興奮してカメラを取り出そうとしたところで大雨. ちょっと信じられないくらいの雨. まだ9時前なのに... 泣きながら石室に避難. 雷雨や.

天気が良くなる気配がないので川のようになった登山道を下山開始. 「鳴いてたのにぃ. すげー近くにいたのにぃ」と2人でぶつぶつ言いながら濡れネズミ. 雷でリフトもロープウェイも止まっていたのでしばし足止め. 雷がおさまってから下山して温泉に入ってさよーならー.

ほとほと疲れ果ててしまったので, 次の連休は宿を取らずに天気を見てから出撃して日帰りする作戦. 有名なナキウサギポイントである然別を攻めることにする. カメラマンが大勢来るかもしれないので 21日土曜日は午前3:00に出発して午前6:30にはポイントに. 誰もいない... そして鳴き声もしない. なんだこれ. 8時過ぎ頃からぼちぼち他の人もやってきたが相変わらずほとんど鳴き声がしない. そしてカメラマンもあんまりこない.

仕方がないので常連らしい人に聞き込み調査. 曰く「今年は子うさぎが全部死んじゃってすっかり警戒心が強くなったのかほとんど出てこない. 出てきてもすぐに引っ込んでしまう. 出てこないことを知ってるので帯広の人はここにはこない」ガ━━(;゜Д゜)━━ン!! 結局5時間粘って空振り. 一応他にナキウサギが見られる場所で比較的アクセスが簡単な場所の情報なんかも聞いてから, 泣きながらまた家まで2時間半のドライブ.

帰りの車の中で, 今シーズンはもう諦めるか, それとも帰ったらとっとと寝て夜中にまたどこかに出撃するかごちゃごちゃと議論. 「先週めっちゃ鳴いてたから黒岳に行こう. あんだけそばで鳴いてたんだから絶対絶対絶対見られるよ!」という結論に. おやすみなさい, そして午前2:30におはよー. 縁起をかついで, このTシャツを着て目的の動物くんが見られなかったことは1度もない, シロハラクイナのTシャツを着てでかける.

一週間ぶりの層雲峡, 先週と違ってたくさんの人. やっぱみんな天気予報見て動くんだな. そして始発のロープウェイ, リフト, 登山道を駆け登る. 2回目なので足が慣れてて速い速い. あっという間に先週いっぱい鳴き声を聞けたポイントに. 着いた瞬間に遠くの岩の上をナキウサギが走ってるのを見たような気がしたが, 全然鳴いてない. たまに鳴き声が聞こえてもとても遠く. 先週の雨で貯蔵してた食べ物が流されて貯蔵場所を変えたとかかしら...

仕方がないので桂月岳へ移動. なんか景色がとても綺麗
Untitled
ナキウサギが住んでそうな岩場はいっぱいあるのだけど, どこにいるのかしらん... ときょろきょろしながら登って行く. 途中で見たことのない鳥がいたのでパチリ
ホシガラス
ホシガラスという高山に住む鳥でハイマツの実が大好物らしい. 足で抑えてるのがハイマツの実.

そうこうしてると岩に駆け上る小動物が. ナキウサギキタ━━━━━━━━m9( ゜∀゜)━━━━━━━━!!と思って大興奮してそっちを見るとエゾシマリス.
エゾシマリス
いや, かわいいんだけどさ. ここからはひたすらシマリスタイム. かわいい
エゾシマリス
ハイマツの実が好き.
エゾシマリス

しばらくシマリスを見ながらウロウロしていると, ナキウサギの鋭い連続鳴きが!そのガレ場でカメラを構えて待つことにする. しかし結構鳴き声がするのに姿を現さず. 1時間ぐらい粘って通りすがりの詳しそうな人と話してみると「ハイマツの下にいるんだろうねー」とのこと. そういえばハイマツがなにかに下から引っ張られたような動きをしていたとの元別居人ちゃんの証言もあり, すっかり心が折れて下山することに. ここで昼過ぎ.

今度こそゲームセットだな, と話しながらも諦めきれず, そういえば昨日聞いた望岳台というのはここからどれくらいかかるのだろう?という話になり調べて見ると2時間. そして望岳台から自宅までは3時間. うーん...

下山中も, 温泉に入って帰って来シーズンの宿題にするか, 今日もっと頑張るか, 悶々と. しかし一度入ったスイッチはなかなか戻らないわけでもう一頑張りすることに. 13:00 に層雲峡を出発. 着くと15:00なので1時間くらいナキウサギを探す時間があるかなぁという感じ.

そんなこんなで望岳台. ちょうど大砲を持った人が帰ろうとしていたので「撮れました?」と声をかけると「撮れましたよ」との返事. この秋初めての撮れましたきたー. どこに行けばいいのか教えてもらってワクワクテカテカしながら, でもダメだったときにがっかりし過ぎないようにあまり期待しないようにと自分に言い聞かせながら, 「ここがさっき言われた場所かしら?」というところへ入っていき, どこで待てばいいのかなぁ, あれとかまるでナキウサギみたいでややこしいなーと自分の目の前の岩の隙間の茶色のもこもこをぼーっと見て, 正気に戻る. いるじゃん!元別居人ちゃんの方を振り向いてイルヨイルヨ!みたいなボディーランゲージを繰り出すが通じない. もう一度さっきの隙間をみたらもういなかった. でも間違いなくいる!

となれば持久戦. 腰を据えて待っていると視界の隅の岩に小動物が!!!しまりすでしたー. というようなことをしていたら本当に現れた. これ
エゾナキウサギ

可愛すぎる. その後も一回近くの岩の隙間からこっちを見てる姿を発見. すっかり満足して他のガレ場もちらちら見てから帰宅.


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